こんにちは! 野田理恵です。
英語でよく「Value-based (バリューベース)」という言葉が使用されるのですがご存知でしたでしょうか?
直訳すると「価値に基づいた」。
健康保険から商品価格の設定まで、多肢に渡って使用されています。
ビジネスにはもちろんお金のやりとりが発生しますが、人が何に価値を見出しているかを知らないまま話をしてもこちらの意図が全く相手に響かないことがあります。
なにをするにも人とのつながりはモノをいいますよね。
仕事で「頭脳明晰」を絵に描いたようなクライアントAさんと一緒に参加したミーティングでそれをまざまざと実感しました。
開発チームとのプロジェクトの打ち合わせだったんですが、会議はどうしようもなく白け切って皆が釈然としないまますぐに解散になりました。
なにがあったと思いますか?
Aさんはよどみない正論を早口でバシっと突きつけたんです。
言ってることは正しいと頭では分かるものの、Aさんの言葉はその場にいた誰にも届いたように見えませんでした。出席者はその迫力に圧倒されたというか、討論することを諦めたような感さえありました。
こういう状況は英語で
No one's home / Nobody home
(誰も家にいない/誰も注意を払ってない、無関心)
と言ったりします。
自分が招集した会議なら、出席者の周波数に合わせて舵をとるのは当然こちら(スピーカー)の役割ですよね。
元FBIのトップ・ネゴシエーター(交渉人)が教える交渉術のオンラインコースを視聴したんですがそこで印象的だったのが
相手の話す言葉(文化)なりルールが何かをわかっていなければ交渉はできない。
それに同意する必要はないけど敬意は払わないといけない。
という教え。わたしが参加したミーティングでは、明らかにスピーカーのAさんは出席者にリスペクト(敬意)を示していませんでした。
ここでのリスペクトは丁寧に接するというより相手のことを考えていると見せる・わかってもらうことです。
たとえばその場に居たメンバーがどんな状況なのか聞いたり、彼らの言うことにじっくり耳を傾けることはれっきとしたリスペクト!
伝えたいことが盛りだくさんの会議だったとしても、出席者の発言に耳を傾ける余裕は忘れちゃいけません。
「こうすることが正しい!」と正論を共有しても、オーディエンスは(招集されてその場にいたとしても)それが自分に向けられたメッセージとは思わないものです。
自分の価値とかけ離れたことを言われると他人事になっちゃうんですよね。
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